2020年10月25日日曜日

Intel NUCにVMware ESXi 7.0 Update 1をインストール

 NUC NUC10i7FNHを購入しました。
(購入した機材のブログはこちら)

無事にパーツが認識されたので、次はESXiをインストールしたいと思います。
今回はブログ作成時の最新バージョンESXi 7.0 Update 1(U1)をインストールします。


【インストールイメージの準備】

Google検索で調べると、NUCへESXiをインストールしてホームラボ用に使っている方はいっぱいいるようです。
いろいろ調べていると、VMwareが公開している標準のISOイメージだとNUCのNICが認識できず、インストール時にエラーになってしまうとの情報があります。

これはNUCのNICに適合したドライバがESXiに組み込まれていない為のようです。そもそもNUCがVMwareでサポートしているハードウェアではないのでしょうがないっちゃしょうがないですが・・・

なので、NUCでESXiを動かすには、NUCで動作するNICのドライバを組み込んだカスタムイメージを作成する必要があります。

ですが、更に調べていると、
ESXi 7.0 Update 1からは第10世代 NUCに対応したNICドライバーが組み込まれているらしい
ということがわかりました。

・ESXi 7.0 Update 1 now includes NIC driver for Intel NUC 10
https://www.virtuallyghetto.com/2020/09/esxi-7-0-update-1-now-includes-nic-driver-for-intel-nuc-10.html


ということは、今回はMy VMwareからダウンロードしたESXiのISOイメージでそのまま行けそうです。

まず、My VMwareからvSphere 7.0 U1のESXi ISOイメージをダウンロードします。

https://my.vmware.com/jp/web/vmware/downloads/details?downloadGroup=ESXI70U1&productId=974&rPId=54339


次に、ESXiのインストール メディアを作成します。
今回はUSBメモリ(ESXiをインストールするものとは別)を用意し、Rufus (ルーファス)を使って作成します。

・Rufus
https://rufus.ie/ja/

インストールしたRufusを起動し、"デバイス"で使用するUSBメモリを選択し、"ブートの種類"でダウンロードしたESXiのISOイメージファイルを選択します。
[スタート]をクリックしてイメージを作成します。


暫く待つと完了します。これで、インストール メディアの準備は完了です。
作成したUSBメモリをNUCのUSBポートに接続します。


【UEFI(BIOS)の設定】

次にNUC本体の設定を確認します。
NUCをパワーオンして"Intel NUC"と表示された画面で[F2]キーを押下し、UEFI(BIOS)の設定画面を開きます。

まず[Security]-[Security Features]を開き、CPUの設定を確認します。
Intel Virtualization Technology・・・[Enabled] 
Intel VT for Directed I/O (VT-d)・・・[Enabled] 
Intel Platform Trust Technology・・・[未チェック]


次に[Boot]-[Secure Boot]で” Secure Boot”を無効にしました。


次に、[Boot]- [Boot Priority]で、起動順序を以下に設定しました。

1:ESXiのインストールメディアUSBメモリ(今回はBUFFALOのUSBメモリ)
2:新規に購入したESXi起動用のUSBメモリ(今回はSanDiskのUSBメモリ)
※以降は特に変えずデフォルト設定


その他は基本デフォルトです。いろいろ設定値を確認しましたが上記を設定すれば問題ない気がしました。(何を変えたか忘れてしまった・・・)

※各種設定値は下記ブログを参考にさせて頂いて確認しました。
・Intel NUC Recommended BIOS Settings for VMware ESXi
https://www.virten.net/2020/03/intel-nuc-recommended-bios-settings-for-vmware-esxi/


[F10]をクリックして変更を保存、NUCが再起動します。


【インストール】

これで準備が整ったのでNUCにESXiをインストールします。

前述のUEFI(BIOS)設定でESXiのインストール メディアとして作成したUSBメモリが優先して起動してくるので、UEFI(BIOS)の設定変更後の再起動でESXiのインストーラーが起動してきています。

下記のような画面が表示されているので問題なくESXiのインストーラー メディアが起動していそうです。


ESXiをインストールするウィザードが表示されてきました!
[Enter]キーを押してインストールを継続します。


使用許諾契約(EULA)を確認し、[F11]キーを押します。

ESXiをインストールするドライブを選択します。
今回は予定通り新規購入したSanDiskのUSBメモリを選択します。

キーボード配列で[Japanese]を選択します。

ESXiのパスワードを入力します。

最後にインストール確認が求められるので、[F11]キーを押します。
あと完了まで待つだけです。

(写真を取り忘れてしまいましたが・・・)"Installation Complete"が表示されたので完了です。
インストールメディアのUSBメモリ(今回は
BUFFALO製)を取り外し、[Enter]を押して再起動します。

無事にESXiが起動してきました!
[F2]キーを押してパスワードを入力し、IPアドレス情報やホスト名などを設定します。

※上記画面イメージはIPアドレスやホスト名設定済みの画面です。

【Host Clientにアクセス】

無事、Intel NUCでESXi7.0 U1がインストールできました!
作業用PCのブラウザからESXiに設定したIPアドレスにアクセスし、Host Clientを開いてみます。

(上記画面はデータストア作成済み、VM2台作成済みの状態です・・・)

CPU     ・・・6 CPUs
メモリ  ・・・63.71GB(物理搭載:32GB×2枚)
ストレージ・・・1.39TB(物理搭載:500GB NVMe SSD & 1TB SATA SSD)

すべてちゃんと認識されました!よかった、よかった。

これでESXiを準備できたので、次はvCenter ServerをデプロイしてvSphere環境を構成する準備をしようと思います。


【おわりに】

終わってみればNUCでも簡単にESXi 7.0 U1のインストールが完了しました。
実はこの前にESXi 7.0(アップデート無し)でもNUCにインストールをしているのですが、その時はNICドライバを埋め込んだESXiカスタムイメージを作成する必要がありちょっと大変でした。
ESXi 7.0 U1であれば、ご紹介したとおり結構簡単にNUCにインストールできましたので、ホームラボの敷居もぐっとさがったのではないでしょうか?



【追記】
<NUC(D34010WYKH)にもESXi 7.0 U1インストール>

ESXi 7.0 U1のインストール メディアを作成したので、第4世代 Intel Core i3 プロセッサーを搭載したNUC(D34010WYKH)にもESXi 7.0 U1をインストールしてみようとしました。
(以前に職場の先輩から頂いたNUCで、元々ESXi 6.5をインストールしてWorkspace ONE検証用のWin10を動かすのに使ってました)

インストール自体は、新しいNUCと同様にすんなりいったのですが、インストール完了後の再起動で、以下メッセージが表示されてESXiを動かすことができませんでした。

Shutting down firmware services...
Page allocation error: Out of resources Failed to shutdown the boot services. Unrecoverable error

VMTNの投稿にも、ESXi 6.7 U3時のものですが同じメッセージが表示されている投稿がありました。
・Solved: esxi cannot boot after updating to 6.7 u3! how to fix it?


そもそもNUC でのESXi利用はメーカーがサポートしているわけではないので、結果使えない可能性もあるのですが、私は以下BIOSのアップデートと設定を変更したら、NUC(D34010WYKH)でもESXi 7.0 U1 が起動できるようになりました。

【1】BIOS を最新にアップデート
Intelのサイトでファームウェアの最新版をダウンロード。(今回はここのページの"xxxx.bio"をダウンロード)
USBメモリに保存して、NUCにUSBメモリを接続。
NUCをパワーオンして"Intel NUC"と表示された画面で[F7]キーを押します。
接続したUSBメモリを選択し、ファームウェア(xxxx.bio)を選択してアップデートを実行します。

【2】Intel VT for Directed I/O (VT-d) を無効
NUCをパワーオンして"Intel NUC"と表示された画面で[F2]キーを押下し、UEFI(BIOS)の設定画面を開きます。CPUの設定画面を表示し、[Intel VT for Directed I/O (VT-d)]を[Didabled] にします。

【3】UEFI を無効にしてBIOSのみにする
これもUEFI(BIOS)の設定画面でUEFIを無効にし、BIOSのみでブートするように設定します。

これで、NUC(D34010WYKH)でもESXi 7.0 U1が起動するようになりました。

第10世代 CPUを搭載したNUCのNUC10i7FNHと異なり、メーカー名やモデル名が表示されませんがCPUが"i3-4010U"で第4世代 Intel Core i3 プロセッサーなのが確認できます。

どうにもうまくいかない点として、BIOSの起動順序にUSBメモリ(ESXiがインストールされている領域)を指定しているはずなのですが、パワーオン時に自動でESXiが起動してくれず、NUCをパワーオンして"Intel NUC"と表示された画面で[F10]キーを押して起動するドライブを手動指定しないと起動できないところが少し面倒ですが、ESXi 7.0 U1の起動自体はできたのでこれで今回はこれで良しにしようと思います。